初めは、もしかしたら先生は私のことを、他の子よりも気にかけてくれてるんじゃないかと思ったりもした。

だけど違った。
先生には好きな人がいたんだ。

教育実習生の中村先生。

背も高くて大人っぽい、私と正反対のような女の人。

二人が抱き合っているのを見て、私は自分の考えがいかに自己中心的だったか気付いた。

先生が私なんか気にかけてくれるはずない。

私なんて興味ないに決まっているのに…。

勘違いして期待した分だけ悲しかった。

私は単なる一生徒にすぎないと思い知らされたようだった。

だけど先生への思いは募る一方だった。