「私といるときの先生、他の子のときと全然違う!」

俺は山田が好きなんだ、他の生徒と同じ態度でいられるか。

「そんなことないよ…」

「そんなことある」

他の生徒と同じように接しなくちゃいけないのは分かってる。
それができないのは俺が未熟だからだ。

「先生は嘘つきだよ。
好きな人に相手にもされないって言ってたくせに」

花火の夜に俺が言ったセリフ。
とっくに忘れていると思っていた。

「佐藤先生のことだったんでしょ?
嘘じゃん、相手にされてるじゃん」

俺が好きなのはお前なんだ。

誤解なのに、嘘つき呼ばわりされるのは何だか無性に腹が立った。