僕は生徒に恋をした

「何か手伝うね」

佐藤先生はエプロンを取り出して俺の横にちょこんと立つ。

ヒールを脱いだ彼女の身長はかなり低い。

山田もこれくらいの身長だよな、と思ったところで首を振る。
いい加減彼女のことは忘れなくては佐藤先生にも失礼だ。

「醤油出して」

俺がそう言うと、佐藤先生は冷蔵庫の中から取り出した瓶を振って見せる。

「あんまりないみたい」

「そうだった。
買いに行って来なきゃ」

前々から切れそうだったが、無精して買いに行ってなかったのを思い出した。

「私が行こうか」

「いいよ。外も暗いし、危ないから」

手近にあったジャンパーを羽織って家を出たが、外は少し冷える。

俺は首を服の襟に埋めながらコンビニまで急いだ。