一度おかした過ちは、ことが終わってから悔いても取り返しがつかない。
好きな子に、他の男からされた告白に応じるように促すなんて、きっとマゾでもできない。
まるで、自分に引導を渡したようなものだ。
俺はバカだ。
******
その日の夕方、バスケ部の練習が終わる頃、体育館の入口に山田の顔が見えた。
武内が山田に気付き、駆け寄るのを見て、俺はこの後の展開を確信した。
いや、今さら確信することでもないか。
俺は山田の口から直接、彼と付き合うと聞かされているのだから。
「やったー」
体育館の隅から武内の嬉しそうな声が聞こえる。
俺が聞こえない振りをしていると、武内は俺の名前を呼んだ。
好きな子に、他の男からされた告白に応じるように促すなんて、きっとマゾでもできない。
まるで、自分に引導を渡したようなものだ。
俺はバカだ。
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その日の夕方、バスケ部の練習が終わる頃、体育館の入口に山田の顔が見えた。
武内が山田に気付き、駆け寄るのを見て、俺はこの後の展開を確信した。
いや、今さら確信することでもないか。
俺は山田の口から直接、彼と付き合うと聞かされているのだから。
「やったー」
体育館の隅から武内の嬉しそうな声が聞こえる。
俺が聞こえない振りをしていると、武内は俺の名前を呼んだ。