佐藤先生は手嶋先生と同期だったっけ。

俺も歳より若く見られる方ではあるが、多分俺と並んでもずっと若く見えるんじゃないだろうか。

職員室で見かける度に、林原が佐藤先生のことをかわいいと言うのを、耳にタコができるほど聞いていた。

「佐々本先生に相談したいことがあるんです」

不意に彼女の視線が手嶋先生に注がれた。

彼はその意図を察して席を外してくれたが、俺はできれば二人きりにはなりたくなかったのが本音だ。

「えっと…相談って」

「あの、実は林原先生のことなんです」

佐藤先生は俺の耳に手を添えて囁くように言った。

その距離が近すぎるように思えて、俺は無意識に体を引いてしまう。