「何で黙っていたんですか」

山田との関係を、どうして今まで黙っていたのか、俺は手嶋先生に問い詰めた。

俺が高校に到着したころには宴もたけなわで、多くの先生方は酔い潰れていたために、俺たちの会話を聞かれる心配はなさそうだった。

「聞かれたことには答えたつもりだが」

手嶋先生は悪びれもせずに言う。

確かに先生は俺が聞いたことには全て答えてくれた。

山田とは何もない、お前の勘違いだ、と。

「そもそも、悩んでたのは佐々本先生の友達だったはずでは?」

手嶋先生はニヤッと笑う。

俺自身のことだと分かっているくせに、こういう風に言うんだから意地が悪い。