2009年12月31日
14歳の誕生日
今まで欠かしたことのない
誕生日パーティーに
葵雪が出席しなかった。

不意に、あの日の言葉が甦ってきた。
お母さんに聞くと、

「もう、隠すのは無理そうね。」
と言った。
静かに、優しく。
「隠し事はやめて!ちゃんと話して!」
そう言うと、
「分かった。でも、落ち着いてね?」
「うん。分かった。」

頷くと、お母さんは静かに話し始めた。
「今、葵雪は病院にいる。
病気なの…しかも今の医学では治せないほどの病気。
風邪ひいて病院に行ったら精密検査しろって言われて、
言われた通りにしたら…
脳に障害があったの。ゆっくり進行して
最期には呼吸が止まって死ぬ。」

…葵雪が病気だってことは何となく知ってたけど
そんなすごい病気だったなんて。
知らなかった。
あたし、葵雪が苦しんでるのに、何も知らないで…

そう思うと自然と涙が出た。