数ヵ月がたったとき異変がおきた。
それは弟の蓮(れん)にだ。


蓮は最近お父さんのほうに遊びにいくことが多い。帰ってくるのも遅かった。


お母さんは蓮に聞いた。

「最近お父さんのほうに行ってるよね。別に怒らないから、本当のことをいってほしい。蓮は向こうで過ごしたいの?」


その質問に蓮は真剣な顔でこたえた。

「うん。行きたい。こんな家にいたくない。」


お母さんは泣いた。それは蓮が離れるとかじゃなく、自分ができてなかったことの悔しさで。

うちは呆気にとらえてた。蓮がそんなことを考えてたのは思いもよらなかった。だが、蓮が向こうに行きたい理由がわかった。