「でも俺はこれでも男なわけよ。これもOK?」
「それも大丈夫」
男じゃなきゃ多分あたしは連と付き合ってない。
あたしにはそんな趣味は残念ながらない。
「キスとか、したいよ。その先も」
――よかった
なぜかあたしは連の言葉を聞いて安心した。
ちゃんとあたしを女の子としてみてくれていたんだって分かったから。
「でも俺はキスしちゃうのも怖いわけ。これもOK?」
「これは分かんない」
分からないことはちゃんと分からないと言う。
「もし、キスしてさ、俺が止まらなくなって、千鶴を傷つけたら?嫌われたら?俺、多分家の押し入れからしばらく出てこないよ!」
ダメだと分かっているのに、あたしは笑ってしまった。
押し入れからしばらく出てこないよって自信満々で言われても。


