わがまま? 「っえ?今?」 「できれば今」 できればってつくところが荒井君らしい。 「……でも、」 「何も気にしないで、呼んで?」 少し赤い顔の荒井君を見てたら、かわいくて、今なら言えるかもって思った。 深呼吸をした。 心を落ち着かせるための儀式みたいなものだ。 「れ、ん……くん」 やっと絞りだした声は心許なく、かすれていたとおもう。 「もう一回」