「じゃ、物理でも教えてよ」


あたしが何か恩返しがしたいと言って返ってきた言葉だ。


「あたし、文系だから、物理なんてとってないよ」


「あ、そうだっけ?なら、英語」


「それなら……」


あたしが不幸体質だったから、あたしのまわりにいた人まで巻き込んで不幸にしていた。


だから、あたしは自分から人に近づくことをやめた。


何もする事がないあたしは勉強にはしった。


だからある程度……まぁ、荒井君よりはだいぶマシだ。



「本当にそんなんでいいの?」


不安になる。


「俺がいいって言ってんだから、OKだって」


荒井君が安心させてくれる。


いつの荒井君はあたしのほしい言葉をくれる。