「キラキラ?」


「あー、ダメダメ。次の質問は俺の番だから」



ちょっとむかついた。


聞き返すことも許してはくれないのか。


「明日、俺と一緒に帰らない?……ってこれは質問か?」


自分で言っておきながら、荒井君は首を傾げた。


――そんなことあたしに聞かれても


あたしは荒井君と一緒に首を傾げた。


「まぁいいや。で、どう?」


荒井君があたしなんか……って言ったらダメなんだった。


荒井君があたしと帰って何かいいことでもあるのだろうか。


「幸せ探しの課・外・授・業はぁと」


はぁと、まで自分でいっちゃう荒井君は、やっぱりちょっと頭が悪そうだ。


「課、外授業……?」


「そ、課外授業。俺と一緒に幸せ探しに行くの」


彼特有のふにゃりとした笑顔。


その笑顔で言われたらあたしは頷くことしかできないのだった。


ただ今のあたしは、明日を何も考えず、明日を楽しみにするほど浮かれてはいなかった。


不思議でならなかった。


気まぐれ、なんて理由はあたしを完璧に納得させるには不十分だった。