胡坐をかいた私と凛は、
特に何を話すわけでもなく、
ただ月を見ていた。
前と違って沈黙が気にならない。

トルコ石にそっと触れる。
首にかけるタイプの長いネックレスで、
紐は黒く柔らかい皮で出来ている。

真ん中についたトルコ石は、
丸くて親指の爪くらいの大きさだ。
シンプルなネックレスなのに、
込められた想いで心なしか重い。

こんな静寂も悪くない……
そう思っていると、
凛がとんでもない事を言い出した。

「俺が今回で本当に死んだら、
お前どうする?」

凛が死んだら、私はどうなるか……
考えた事もなかった。

きっと耐えられない。
自分が自分ではなくなってしまうだろう。
「どうするって……ごめん。」
「何で桜が謝るんだ。」

泣き出しそうな私の頭を、
凛がそっと撫でた。
「いいよ。ただ言っておく。
たとえそうなったとしても、
お前のせいじゃない。」