勢いで家を出たはいいものの、 どこに行けばいいかすらわからない いままで豪華なドレスは山ほど着てきたけど それは全部お母さんが選んだものだった 自分で買ったことなんて一度もない 「あっ、タクシー…!」 行き場所も決めないままにわたしは勝手に手を挙げていた 「どちらまで?」 タクシーの運転手さんに聞かれた 困ったわたしはとりあえず 「は、原宿まで…」 と言っておいた。 うん、高いドレスもありそうだし、ね。