たかおちゃんは一瞬戸惑ったような顔をしたけど、 会場のほうから聞こえた歓声にふっと目を向けた。 そしてまた彼はわたしのほうに顔を向けて笑った。 「そろそろ行かなきゃな」 手は頭を掻きながら、照れくさそうに。 もう行っちゃう。でも仕方ない。 これでまた、もう二度と会えなくなるのかな。 いいよね、ここでまた会えたし。 またどこかで会えるって信じれば。 彼が去ったら、また元の気持ちに戻ろう―――。 「じゃーね」 にこ、っと笑って彼は、手を振りながらキッチンを出て行った。