「絆創膏とか、ある?」
たかおちゃんはリビングのほうを見渡しながら、わたしに言った。
はっとして自分の指を見つめると、まだ血が流れていた。
自分の指が切れていることなど、完全に忘れてしまっていた。
「あ、そのタンスの、3段目に…」
ここは、敬語で話すべきか、タメ語で話すべきか。
迷ったけれど、たかおちゃんはわたしのことを知らないのだ。
いきなり年下にタメ語を使われては困るだろうと思った。
こんな時でも、絆創膏を探す彼の後姿に見とれてしまっているわたし。
まるで、あの頃に戻ったみたいだ…、なんて。
「ん」
彼が戻ってきて、絆創膏がわたしの前に差し出される。

