3年分のキス






その声の主が誰か認識する暇もなく
足音が近づいてきて、わたしの左腕が掴まれた。

そして水が流れる音がして、指先が冷たくなった。


目が覚めた気がした。




「…大丈夫、か」




耳元で囁かれたその声に、わたしの心臓は止まった。
振り向きたいと思うのに、体が動かない。

ただ、腕を握られた部分だけが熱くなっていた。


水の音と時計の音だけがキッチンに響く。




「…おーい、どうした」



ばっ、と自動的に目の前に現れた顔に目を見開いた。
そして息を飲んだ。