暗いキッチンで、ごみを片づけながら
会場のほうに耳を向ける。
蓮がマイクで話している声が聞こえてきた。
そして大きな歓声。
このキッチンに音は何もなかった。
会場から聞こえてくる音だけだ。
強いて言うなら、時計の音ぐらいだろうか。
その時計をふと見上げると時計の針は7時を指していた。
もうパーティーが始まって2時間だ。
だいぶ盛り上がってきたところに違いない。
「…よし」
ごみを片づけ終わって、残り一つの桃を剥こうと手に取った。
その時だった。
「あの」
右側から、どこかで、聞いたことのある、声がした。

