3年分のキス






暗いキッチンで、ごみを片づけながら
会場のほうに耳を向ける。

蓮がマイクで話している声が聞こえてきた。
そして大きな歓声。


このキッチンに音は何もなかった。
会場から聞こえてくる音だけだ。

強いて言うなら、時計の音ぐらいだろうか。


その時計をふと見上げると時計の針は7時を指していた。
もうパーティーが始まって2時間だ。

だいぶ盛り上がってきたところに違いない。




「…よし」



ごみを片づけ終わって、残り一つの桃を剥こうと手に取った。

その時だった。




「あの」



右側から、どこかで、聞いたことのある、声がした。