朦朧とする意識とふらつく足でどうにかキッチンまでたどり着いた。
会場のほうからは賑やかな声が聞こえてくる。
どうやらもう始まったようだ。
なかなか盛り上がっているらしい。
わたしはそのまま、たかおちゃんのことを忘れるように
夢中でデザートの用意を始めた。
作業をやめるたび、何度も何度も浮かんでくる横顔を掻き消しながら。
イライラした。
今までこれだけ我慢してきたんだ。
これからだって頑張らなきゃいけないのに。
たった一瞬、彼の姿を見ただけで、
わたしの心臓は馬鹿みたいに高鳴っていた。
そんなわたしのイライラが乗り移ったかのように
皮を剥かれた果物たちは、雑に散らばってしまっていた。

