3年分のキス





「心結ー?」



しばらくして
わたしを探す蓮の声が聞こえてきた。

もうすぐ5時、なのかな。
蓮は何かスピーチしなきゃいけないはずなのに。




「行か、なきゃ」




こんなぐちゃぐちゃになった気持ちで
蓮と目を合わせることなんてきっとできない。

ましてやこの場所を出れば、たかおちゃんと会うかもしれないのに。


でもきっと
わたしが出て行かなかったら
蓮はずっとわたしのことを探してくれると思う。

ぐっと歯をくいしばって
まだ高鳴り続ける鼓動を抑えた。

目にたまった涙を拭って
息を整えながら蓮のもとへ向かったのだった。