「心結ー?」
しばらくして
わたしを探す蓮の声が聞こえてきた。
もうすぐ5時、なのかな。
蓮は何かスピーチしなきゃいけないはずなのに。
「行か、なきゃ」
こんなぐちゃぐちゃになった気持ちで
蓮と目を合わせることなんてきっとできない。
ましてやこの場所を出れば、たかおちゃんと会うかもしれないのに。
でもきっと
わたしが出て行かなかったら
蓮はずっとわたしのことを探してくれると思う。
ぐっと歯をくいしばって
まだ高鳴り続ける鼓動を抑えた。
目にたまった涙を拭って
息を整えながら蓮のもとへ向かったのだった。

