時間が止まってしまったように わたしはその人の姿を目で追った。 わたしの父から粗品を受け取りお辞儀をしたその後ろ姿は どこか見覚えがあるような気がした。 その人はひとりで来ていた。 そして目の前に現れた横顔に、息が止まってしまった。 綺麗な鼻筋。 細いたれ目。 血色の悪い唇。 くせの強い髪の毛。 彼の顔がこちらを向いた瞬間には わたしはもうすでにその場を走り去っていた。