3年分のキス





しばらくして父が乾杯の音頭を取りパーティーが始まった。

わたしはたくさんのお金持ちのところへいって
お母さんと一緒に挨拶をして回った



「はぁ……」



思わずため息が出る

わたしには関係もない人たちに
"いつもありがとうございます"だの"お世話になってます"だの
愛想笑いして言わなきゃなんないなんて

めんどくさいにもほどがある


まぁ、家に帰ればこの愛想笑い地獄からも抜け出せるわけだし
もう少し耐えるしかないんだけどね

やっぱり疲れる
愛想笑いしようにもどうにも口角が上がらなくなってくる