「どっか、行きたいとこある?」 二人歩幅を揃えて原宿の街並みを歩いていた 季節は夏 こんなにも蒸し暑いのにその辺のベンチでいちゃつくカップルが山ほどいる そんなカップルからは目を逸らすのがいつものことである 思い出したくないことが心にあるから 「映画とか?」 「お、いいね」 藤原さんは絶対に行きたいところを尋ねてくれて わたしの意見を尊重してくれる 誰かさんは、と思ってしまう心を抑制して彼の顔を見て微笑む