「たかおちゃん」 わたしが彼の病室に着いたとき そこにいたのは彼だけだった なんだか、悲しい目をして 窓の外を見つめていた わたしが呼ぶと彼は振り返る そしてまたいつものように会釈をした 「モンブラン、買ってきた」 そう彼に言いながら わたしは手に持っていた袋からケーキの箱を出して冷蔵庫に入れる 「あ、こないだもモンブラン、ありがとうございました」 彼は笑って言った