帰り道。



「お前またなんか食ってるだろ。甘い匂いする。」




「この匂い嫌い?」



真白(ましろ)と帰る帰り道。




ふんわり漂う甘い匂い。



「き、嫌いじゃねぇ・・・///」



昔から飴玉が好きだった真白。




「そっか。」



ふんわり笑う真白にドキドキした。




「今日は桃味なの。」



「オレと帰るときいっつもそれじゃね?」



「ふふ。そうかも。」



俺は不意にポケットに入っていた飴玉をそっと掌に出した。



苺とオレンジ、ブドウか。



「何してんの?颯(はやて)」



真白が俺の名前を呼ぶたび甘い匂いが俺の鼻を通る。



「な、なんでもねぇ!!」