金剛石とともに空へ

夏だというのに、空には灰色の雲が薄くまとわり付き、空気は蒸し暑かった。
市内見廻りから返ってきた沖田は、出かける前まで、庭で子牛のドナドナと遊んでいた斉藤がいなくなっているのに気づいた。
(いなければいないで、どこかで、おかしなことをしているのじゃないかと心配になってしまうな)
少しの不安が沖田の心にひっかかる。
オトコパレス2階の幹部専用まったりルームに戻った沖田は、そこに斉藤を発見した。
「あぁ・・・おきたさぁん、おかえりなぁ・・・」
斉藤はふんどし一枚姿で部屋にいた。瞳がうつろに濁っている。
沖田は、斉藤が手にしているキセルを見て見当をつけた。
「斉藤、貴様、アヘンをやってるのか!」
「うーん、まんもすエクスタP」
斉藤は畳の上をごろごろと転がっりながら返事した。