オトコパレスの庭にも春が訪れていた。軽やかな風は人々の心をうきうきさせる。そんな春の陽気によって、ただでさえ一年中発情期の近藤の視床下部は、通常の倍以上にガチムチホルモンが分泌されていた。
「ねえ、みんな?パツキンの美少年とかいたらどうする?」
「局長の考えてることは、不潔です」
近藤の妄想を沖田は頬を赤らめながら非難し、斉藤は言葉を返さず含み笑いで答える。土方だけは眉をひそめて近藤を睨んだ。
「黒い大きなものから色白のパツキン少年が飛び出てコンニチワー、だぜ?俺だったらティンカーベル剣道でMEN!MEN!だよ」
「やああああっ!」
近藤の言葉攻めに沖田が悲鳴をあげた。
「局長、そのナントカ剣道とはいったい?」
この場でただ一人、常識的な思考の持ち主である副局長が脇に置いた竹刀を手に取りつつ問いただした。