1時限目は国語。一応得意科目・・・だと思う。

でも、なんか緊張しちゃって、授業はあんまり集中できなかった。

矢田ちんの声だけが教室に響いている。

「えー・・・本日の国語はこれで終了としますっ。」

矢田ちんの声と、チャイムの音が交差した。

・・・その瞬間、女子がガタガタと椅子からおり、杉山君の回りに駆け寄って来た。


「キャーかっこいー!」

「私が校内案内しますぅ!」

「あーっずるいぃーあたしがするのぉ!」

「杉山くーん!」


女子の黄色い声が教室を埋めた。

どうやら、杉山君は女子に人気が高いようだ。

うぅ・・・この席ハズレか・・・女子が多すぎてうるさい・・・

それに、校内案内・・・どうしよっ。

・・・このまま他の子にやっちゃおうかな・・・。


そう思った瞬間だった。

「どけ、案内してくんない?西藤さん?」

少しドキンと胸が高鳴った。

そして女子の視線。うっ・・・


すぐに教室を出たかったあたしは、杉山君と一緒に教室を出た。

「西藤・・・なんていうの?」

廊下に出た瞬間、不意に話しかけてくるから、少しびっくりした。

「えと・・・西藤恋梨・・・です?」

なんか最後問いかけたみたいになっちゃった。

「・・・そうか、じゃあ・・・俺を好きになれ。」