「ちょ・・・とマズいかな・・・っ?」

急いで階段を下りる、教室のドアを開けると、もう皆座っていて、先生がこちらを少し

歪んだ顔で見ている。

「西藤!何してたんだ!もうHR始まってるんだぞっ。」

担任の矢田ちんがあたしに向かって怒鳴る。

うぅ・・・だってなんかボーっとしちゃってて・・・時間なんて忘れてたんだもん。

「・・・まぁいい。西藤、転入生の杉山雅樹君だ。休み時間、校内案内してやってくれ」

矢田ちんの隣には、矢田ちんより少し身長の高い男の子がいた。

・・・金髪、乱れた服装。

この人・・・・・・不良さん・・・・ですか?

「あっ・・・と、は・・・はいっ。」

正直あまり乗り気ではなかったが、遅れてきちゃったし、断れない・・・

「ついでに、教科書とか見せてやってくれ。席はあそこな。」

「・・・」

杉山君・・・は、指定された席に座った。

・・・って、あたしの・・・隣・・・?

・・・無理無理無理無理!こ・・・怖いよーっ!


・・・なんて口がさけても言えない・・・

とりあえずなんとか笑顔で「よろしくね」と首をかしげてみる。

「・・・っ」

彼は一瞬驚いたような顔であたしを見た。

あり?あたしの顔になにかついてんのかな・・・。

少し不安になるけど、なんだか言えなくて、机の中から教科書を取り出す。

「はいっ。」

教科書を真ん中に置き、少し体を近付けて教科書を見た。