「はぁ・・・」

あたしは屋上にきてため息をついていた。

『恋梨ー!あたし彼氏できたんだぁ。すっっっごくかっこいいの!』

『へぇ、よかったねぇ!今度見せてねっ?』

双子の愛梨との朝のやりとりを思い出す。

まさか、愛梨にまで彼氏ができるなんて・・・

西藤恋梨、15歳。

彼氏いない歴、15年。

つまり、彼氏ができたことなんて、一度もない。

それどころか、恋愛とか、全く興味がないのだ。

それにこんな背低くて、私服だと高校生だと思われない・・・よね

153センチの自分の頭を撫でてみる。

そして、発展途上の胸を見下ろし、さらに悲しくなる。

愛梨は身長が160いくつかあるし、可愛くて素直で。


それに比べてあたしは、ちっちゃくて、可愛げないし、素直でもない。

『恋梨のほうが可愛いよぉ!』

『恋梨ちゃん自分が可愛いの自覚しなよー』

とかよく言われる。

でもなんだか素直に喜べないんだ。

あたし・・・マイナス思考だし・・・

少し茶色がかった長いツインテールが風に揺れて、なんだかくすぐったい・・・。


キーンコーンカーンコーン...

HRの始まりを知らせるチャイムが鳴り響いた。

あたしは少し焦り、屋上を後にした・・・。