天神学園大新年会

「しかし万里さんは幸運体質ですし、引く手数多なのでは?」

イリアが言うが。

「それは私の『体質』が目当てであって、『私の事』が好きな訳ではないでしょ?」

「…難しいのですね」

万里の言葉で、イリアの眉間に皺が寄る。

「そう言うイリアちゃんはどうなんですか?」

秋帆の問いかけに。

「私は生徒会長一筋ですから」

キッパリ言ってのけるイリア。

「いやいや…生徒会長は女やん…それに生徒会長には皇帝が…」

言いかけた八鶴を、イリアがギロリと睨む。

『俺の前でその名は口にするんじゃねぇ』と言わんばかりに。

「皇帝が…何か?」

「いえ…何でもないです…」

八鶴はズズッと熱い茶を啜った。