天神学園大新年会

「黒焦げ、ケダモノ、欲望を発散できればどうでもいい」

出麼が言うが、彼女が言うと説得力に欠けるのは何故だろう。

「あー!出麼ちん失礼しちゃうなぁ!」

雛菊がプクッと頬を膨らませる。

「私だってファーストキスだったもん!秋帆君と出来て嬉しかったもん!」

それにしては躊躇いの欠片もないキスだった。

詳しくは天神ⅩⅠ参照。

「まぁスペシャルハレンチだしねぇ…」

万里が他人事のように言う。

「万里ちん、そういう君だって、眼鏡男子と一緒にデートしてて大騒動になったんだよ?」

雛菊の言葉にキョトンとする万里。

「私が?デート?」

「うん、私の女子寮のお隣さんがオイオイ泣いてたんだから」

「……」

万里は無言のまま、離れた席に座る千歳を睨んだ。

(アイツめぇ…)

ガリン!

放り込んだ飴玉を噛み砕く時は、万里不機嫌の証。