両手は自由なのだから、拘束している縄を自分で解けばいいではないかと思われる向きもおられるかもしれない。

しかし、毒舌教師の陰湿ぶりは半端ではない。

結び目は全て、龍太郎自身では手の届かない背後にあった。

しかも縄の太さが、体育祭の綱引きで使用される綱のようなレベルのもの。

如何に筋肉馬鹿の龍太郎でも、これを引き千切るのは不可能。

ガッツリ携帯も没収されている。

最早プリンセス天功でも脱出不可能。

この永遠の漆黒の牢獄で、龍太郎が孤独のうちにめでたい新年を迎えるのは確実だった。