「くっ!くそっ!」

龍太郎は、椅子に座った姿勢のまま、腰と両足を頑丈に太い縄で括りつけられていた。

机の上には各教科の課題が山積みにされている。

『僕はこれから、理事長にお呼ばれして新年会に行って来ますが、丹下君、君はその課題が終わるまで帰宅は許しませんよ?…と言っても、君は僕がいない隙に間違いなく逃走するでしょうからね』

そう言って毒舌教師が彼を拘束し、そのまま放置、自分は呑気に新年会に向かってしまったのだ。

何というシベリア抑留。

冬休み中の学園の教室には、暖房などない。

ほぼ屋外と同じ気温。

本来無人の筈なので、照明すら消されている。

そんな中で課題を山積みされても、まず暗くて読み書きできない。

何という無茶ぶり。