「初日の出に願を掛けると、願いが叶うそうだ」

「…この後二人で初詣に行くのに?欲張りじゃないかなぁ?」

クスクス笑うこはく。

そんな彼女の言葉に耳を貸さず、翡翠は軽く手を合わせて初日の出に拝む。

その表情は真剣そのもの。

「…随分熱心に願掛けするんだね、すー…何をお願いしたの?」

「…………」

「ねぇ、何をお願いしたのさ?」

返答に困っているのを知りながら、こはくはわざと追求する。

「決まっているだろう」

やや憮然とした顔で、翡翠は愛すべき妻を見下ろした。

「お前を…」

真っ直ぐに見つめる翡翠色の瞳。

「…………お前を斬る!」