暁。

照らされる紫色の空。

風はなく、空気は澄み渡る。

身の引き締まるような寒さの中、それでも見飽きる事なく、夕城夫妻は白み始める空を見つめ続ける。

スルリと。

翡翠の腕に自らの腕を絡めるこはく。

「む…」

照れたように声を上げる翡翠を、奥方はクスリと笑いながら見上げた。

やがて、新年のご来光が世界を彩る。

翡翠を、こはくを、いまだ宴会の熱冷めやらぬ生徒達を。