叱られた闘犬のように、やや項垂れた様子の翡翠。

そんな彼を、愛らしく思う。

「だから」

節くれだった小指に、しなやかな小指を絡ませて。

「お正月だから、今日だけだよ?生徒さん達の前で甘えさせてあげるのは」

ツ、と。

こはくの白い手が、翡翠の手を引く。