ジリジリと緊迫した空気が流れる両者の間。

それは、刹那だった。

「っ!」

残る片方の手で苦無を取り出して斬撃を繰り出す茜!

咄嗟に仰け反って回避する骸南だったが、結果として箸がローストビーフから離れてしまう。

「頂く」

その隙に摘まんだローストビーフを引き寄せようとする茜。

しかし!

「させん!」

箸を投げ捨てた骸南は、腰の業物を抜刀する!

右、死屍(ししるいるい)、左、鬼神丸国重。

抜き放った二刀の切っ先が鈍く輝いた瞬間。

「鬼屍…!」