*short.short*



*Job-hunting activities*


一流企業だとか。
完全週休二日だとか。
ボーナス年3回だとか。
服装、髪型自由だとか。
月給手取り25万以上だとか。


もうこの際、そんな事は言ってられない。


大学四年の7月。


いまだに内定がゼロのあたし……


早抜けした勝ち組の同級生達は、のんびりとレポートや、既に卒業論文にまで取りかかってる人もちらほら。


………ヤバい
かなりヤバいこの状況。


毎日靴をすり減らし、遠くは電車で三時間もかかる企業にまで足を運んで、汗だくになって面接の日々……


どこか!
もうこの際どこでもいいから!
誰かあたしに内定をくれっ!


「教授っ!レポート提出!あと3日だけ待ってくださいっ」


民俗学の教授の部屋のドアを勢いよく開けてそう叫ぶあたし。


「……脚下」


教授はすました顔でのんびりとコーヒーを啜りながらそう呟く。


「お願いーーっ!」


「明日の17時まで。時間厳守」


「無理っ!」


「ダメ」


「就活で時間無かったんだもん!」


「それは言い訳」


「……うっ、…こっ、恋人の言うことが聞けないの?」


「それとこれとは別」


「いまだに内定が無いの、あたしだけなんだよ?就職浪人なんてヤダー!」


「……就職…、ひとつだけなら、心当たりあるけど?」


「えっ?ホント?」


「うん。これ…、履歴書。これ書いて明日俺んとこ持ってきて」


「ありがとっ、センセ。これ書いて明日センセに……って…、これって……」


「俺んところに永久就職出来る履歴書」


………婚姻届じゃん。


「どうする?内定確実だけど?」



*end*