*Diet*
「うぅ〜……」
「何?」
「あたしの目の前で食べないでよ」
今まさに宅配ピザにかぶりつこうとしていたら、恨めしそうに上目使いで俺を睨んでそう訴えてくるお前。
「今ダイエット中って知ってるくせに」
「だって腹減ったし」
「あたしだって腹減ってるし!」
「じゃ、お前も食う?はい。あーん」
「いやっ!近づけないで!」
そう言ってクッションに顔を埋めて丸まってしまった。
夏までに5キロ痩せるんだと言って、ダイエットを始めたお前をテーブル越しに見つめながら深く息を吐く。
「だから、全然太ってないって」
「太ったの!こんな身体じゃ水着が着れない!」
今年の夏の休暇は奮発して、沖縄に行こうかって言ってからのお前は最近そればかり。
「水着なんか着なくていいから……」
「いやよ!せっかくの沖縄なのに、泳がなくてどうするの?それにもう水着買ってるし」
「え?買ったの?」
「うん。スッゴい可愛いやつ、ちょっと持ってくるね」
立ち上がると寝室から紙袋を持ってきて、ガサゴソと中身を取り出し、それをひらいて俺に見せながら。
「ジャーン!可愛いでしょ?」
「…………それ……、着るの?」
「うん!だから頑張ってるの!」
「……布…、少なくね?」
「えー?そうかなー?普通でしょ?」
いやいやいや。少ねーよ。
下着より露出が激しいじゃんか……
それ着てビーチを歩くのか?
俺は立ち上がり、無理矢理お前の口にピザを押し込んだ。
「むぐっ!あにふんのっ?」
「いいから食え!」
「ふがっ!あぐっ…!やめっ…もうっ!食べちゃったじゃない!」
「ははは。ダイエットはまた明日からやれば?今日は我慢しないで食えよ、ピザ大好物だろ?お前」
「う…、じゃ、少しだけ…」
そう言ってお前はMザイズをペロリと一人で平らげた。
「よし!また明日から頑張ろ!」
「おお。頑張れ」
明日はお前がピザより大好物な、イチゴのショートケーキ買ってきてやろう。
お前の身体は俺だけのものなんだから。
俺にだけ見せてればいいんだよ。
*end*

