偽恋愛上等ッ!!【短編】

「‥‥‥‥」

『コウ』はその場に立ち尽くしたまま、何も言わなかった。
さっきまでのへらへらした笑顔も消えている。


「行こ、里奈」

あたしは里奈の腕に自分の腕をからませた。

「うん帰ろ」
里奈が嬉しそうに笑う。

その場に立ち尽くしたままの『コウ』を置いて、
あたしと里奈は校門を後にした。




夕方で、低い位置になった太陽の日差しがまぶしい。
あたしと里奈は手をつないで、帰り道を思いっきり走った。


やった、里奈!
やってやったよ!!


見たよね、
あの『コウ』のすっごい顔!
あたし笑えてきちゃったよ! 


最後の捨てゼリフもなかなか気に入ってる。
だってほんとにそうだもん。
あんな最低なヤツ、一生誰からも愛されないよ。



手をつないで走りながら、里奈が叫ぶように言った。
「玲ーーーッ!
ありがとーーーーー!!!」



里奈を見ると、里奈は泣いていた。

「何で泣いてんの!?」

里奈は泣きながら笑って、

「嬉しかったの!」

と言った。
それを聞いてあたしも何だか少し泣きそうになった。




「玲ーーー!」
その時、後ろで声がした。


「コウジ!」

コウジが部活用の大きなカバンを抱えて追いかけてきている。