「アンタなんかの事、好きになる子いるわけないでしょ!?」
あたしは『コウ』に向かって叫ぶように言った。
『コウ』は
「いるよ!俺結構モテてるからさ、俺にゾッコンな子が何人かいるし」
と言ってへらへら笑う。
あたしは『コウ』を思いっきりにらみつけながら、
もう一度言った。
「アンタみたいなヤツ、本気で好きになる子いるわけない。」
「は?だから、いるんだって。馬鹿じゃない?話聞いてんの?」
怒りで震える手を、あたしはぎゅっと握りしめる。
「絶対、ウソだね。そんなわけない。」
「はぁ!?意味わかんねぇ。コイツ頭悪ぃー」
まわりの友達に向かって、『コウ』はへらへら笑った。
今だ。作戦実行の時が来た。
準備したことが、ここで生かされる。
「じゃあ今ここに呼んでみせて。証拠見せてよ。」
「今?めんどくせぇな。何でそんな事しなきゃなんねぇの」
「できないの?やっぱウソなんじゃん!」
あたしがそう言うと、『コウ』はカバンから乱暴に携帯を出して
誰かに電話をかけた。
「あ、もしもしナナちゃ‥」
そのまま『コウ』は黙り、携帯を耳から離した。
「どうしたの?」
「いや、何でもない」
明らかに『コウ』は困惑した様子。
今の様子から行くと
電話がつながった瞬間何か言われて電話を切られたんだろう。
当然だよね。
昨日あたしが全部話しておいたんだから!

