偽恋愛上等ッ!!【短編】

あたしと里奈は『コウ』の学校に向かった。

2人でこうして『コウ』の学校に行くのは
あの時以来だ。
背番号『11』を見るためにここに来たんだ。

今思えば、あれがコウジとの恋のきっかけだったんだよね‥‥。


「懐かしいね!」

「うん、ほんとに!」


コウジの話だと、今日の部活はもうすぐ終わる。
校門で待ちぶせして、
部活が終わって出てきた『コウ』に声をかければいい。


15分経ったか、20分経ったかという頃に
『ありがとうございましたー!』
という集団の声がして、部活が終わった。


もうすぐだ。
もうすぐ、『コウ』が来る。


あたしあれから色々考えたんだ。
どうするのが里奈にとって一番いいのかって。

それで出た答えが、これ。
やっぱりハッキリ言うのが一番だよね!
最低な事したアイツが悪いんだから。
最低なヤツには最低って言ってやればいい!!


「あ、来たよ!」

『コウ』が部室から出てきた。
コウジは、一緒には居ない。



里奈を見ると、その場にしゃがみこんで泣きそうな顔になっている。


「里奈、どうしたの?声かけて!」

「‥‥‥やっぱりやめようかな。
このまま時間が流れるの待った方がいいんじゃないかな」


里奈は、かなり弱気になっている。


あたしは
「里奈が言ってくれた言葉のおかげで
あたし勇気が出て、コウジと付き合えたんだよ!」
と言った。


「あたしが言った言葉?」

「あたしが付き合った日、図書館で里奈言ったじゃん!
いろんなこと全部抜きにして、今玲はどうしたいの?って!」



しゃがみこんで下を向いていた里奈が少し顔をあげた。

「いろんなこと全部抜きにして、私はどうしたいのか‥‥」

里奈は深呼吸をしてからあたしを見上げて、

「このままじゃ嫌!」

と言った。