朝日が昇り始めたころ。
金に輝く髪がふわりと揺れた気がした。



頬にかかる髪があたしを目覚めさした。





「・・・ん・・・」



ぼんやりと揺らいでいる視界がだんだんクリアになってくる。
ふと、隣に寝ている水の彩色が目に入って思わず頬が緩む。



「かわいいなぁ・・・・」


考えるよりも口にしてしまった言葉にハッとして口を抑えるが、空は起きていない。
はぁ、とため息を落としてベットから抜け出す。




ちょうど、朝日が昇り始めたころ。
差し込む朝日が温かい。




「んーーーー・・・」


大きく伸びをしながらあたりを見回す。
毎日毎日届く品物の数々は部屋に飾ってたりなかったり。
不意に首元にある“それ”を触ろうとしたが・・・ない。





・・・・そういえば。




「あたし・・・ネックレスどうしたっけ・・・・」



いつも、身に着けていた母様にもらったネックレス。
戦争が終わってから、鈴から返してもらったんだっけ・・・・。



「・・・昨日、昨日まではつけてた・・・・・。」



そう、確かに昨日までは首元にひんやりとした感触があったのに。
いつの間に、なくなってしまったのだろうか・・・・。



「・・・っ!!」


いてもたってもいられなくて急いで寝巻から着替え部屋を後にする。
悠長に考えてる暇は無い!!あれは、




唯一の形見、なんだから・・・!!





早朝だから、誰も起きてなくて安堵しながら廊下を駆け抜けた。