薄い桃色の果実酒を2つのグラスに注ぐ。
そして、夢羽と笑いあって・・・
「乾杯っ!!!」
___チン!!
高い音が部屋に響く。
願うことはただひとつ。
___桜が笑って太陽に話しかけれますように・・・
それだけだよ。
† † †
「・・・っはぁ、っぁ・・・」
広い廊下をあの人のもとへ走る。ただ、ただ走る。
一秒でも速く、この気持ちを伝えたくて。
夢羽様や蘭さんに背中を押してもらった今の気持ちを速く、あの人に届いて欲しくて・・・
__もう、寝ちゃったかもしれない。
そんな不安が胸をよぎるけど、あそこにいると信じて。
あたしは、展望台へ急ぐ。
月を見上げる貴方が綺麗で、
ずっと見ていたい。
私じゃない誰かを思っている愁いに満ちた瞳も、
テノールの音質を持った声も、
私を支えてくれた力強い腕も、
厳しさの中に優しさを見つける度嬉しくなって、
貴方の瞳に写れたと喜んで、
夢羽様に微笑みかける貴方を見て悲しくなって、
全部全部全部全部、貴方が好きだからなの。
この張り裂けそうな胸とは対照的に、どんどんと鼓動がはやまる。
塔の一番上にある展望台に向かうために階段をかけあがる。


