「はぁ・・・」


それはいちメイドのため息から始まった。




「なぁに、溜め息なんかついちゃって。」

「・・・・蘭さん」


あたしは、蘭。
この城で働くメイドの統括者として働いています。
さて、今しがた溜め息をつき何やら悩んでいる様子のこのメイド
新入りだけど、自分に厳しくいつも一生懸命に働く真面目な子。


溜め息つくなんて初めてで・・・


「相談、乗るよ?」

「・・・蘭さん」


仕事のことだろう。
そう思っていたのがあたしの盲点だった。



「・・・実は・・・」

「・・・蘭さん!夢羽様が呼んでおります。」



タイミング良く、と言ったところか。我等がお姫様がお呼びだ。


「・・・はぁ、ごめんね。仕事が終わったらあたしの部屋で聞くよ。」

「・・・・はい」


なにかを思い詰めた顔で仕事に戻った彼女、桜。
桜を気にかけながらあたしは夢羽の元へといった。










___コンコンッ


遠慮がちに叩かれたノックに応える。


「・・・失礼しま・・・って!!!姫様!!!!」


桜が驚いてペタンと床に座り込んでしまうほどの人があたしの部屋のベッドに座っていたのだ。


「・・・ごめん、桜。夢羽がどーしても。って聞かなくて・・・」

桜に手を差し出し立たせる。