「おっそーーーい!」


部室につくと、桜先輩が腕をくんで綾音たちに言った。


桜先輩は、この部活のキャプテンをつとめている。


とてもソフトテニスが好きで、寝るときもラケットをもっているのでは、という噂まである。


「すいません!つい教室で話しこんじゃってて…」



沙也香が言い、頭をさげる。


その姿を見て、綾音もあわてて頭を下げた。



「まったく、何分遅れだと思ってるの?そんなことじゃ、試合にださないよ」



「…すみません。以後、気をつけます…」



沙也香がしゅん、とした表情でいう。



「で、あなたは?綾音」



「あ、えと…私も気をつけます…すみませんでした」



綾音がそう答えると、桜先輩は満面の笑みで言った。



「じゃ、2人とも?罰として外周。さあ、行きなさい!ちなみに…10周ね」



そして、顧問の先生に呼ばれ、桜先輩は行ってしまった。