お兄ちゃんの空



キーンコーンカーンコーン…



チャイムが鳴り、綾音は目をさました。



「もうこんな時間か…意外と授業終わるの速かったなあ」



綾音がつぶやいていると、隣から沙也香が声をかけてきた。




「あーやねっ。あんた、ずいぶん気持ちよさそうに寝てたわね?」



「え…。あたし、寝てたっけ?」



「何をいってるのよ?あんなに気持ちよさそうだったくせに…。よだれまでたらして…」



「え、やだ!」



綾音は、とっさに口元をぬぐった。