お兄ちゃんの空



「ううー…。どうしよ…ここ、わかんないんだけど…眠いよ…」



綾音は、1人睡魔と戦っている。



英語以外の授業なら寝てもまあいいのだが、英語だけはちがう。




なにせ、唯一点がとれる教科なのだ。




どうしても点をとらないわけにはいかない。



そう頭ではわかっているのだけれど、先ほども言った通りに体は正直もので…





「…無理」




それだけいうと綾音は、目をつむり、その数十秒後には心底心地良さそうな寝息をたてていた。