お兄ちゃんの空



「ふわぁぁー…」


綾音は、のびをしながら大きなあくびをする。




いまは、英語の末富先生の授業中。



これが、暇でひまでしかたがない。




それも、簡単で暇だというのではなく、わかりにくくて暇なのだ。




だからーー…



必然的に眠くなってしまう。




綾音以外にも眠っている子はいる。




それがまた、ずいぶんと心地良さそうな寝息をたてているのだ。



とくに、左となりの沙也香だとか。



斜め右前の佐伯くんだったりとか。



そんな人達を見ると、いくら寝るまいと努力しても、その意志とは裏腹に体は正直なもので…





まぶたというカーテンはおりる一方。